インドの音楽ストリーミングサービス最大手Saavnは8月13日、香港企業から400万米ドル(約4億円)の資金調達(シリーズB)を実施した。同社による資金調達は、設立時の2009年に600万米ドルを調達して以来2回目となる。

今回調達した資金の用途は明らかになっていないが、同社は以前より中東をはじめとする海外事業を拡大する考えを示していたほか、インド国外の楽曲を増やすなど、積極的に事業を広げていた。

Saavnはインド最大の音楽ストリーミングサービスで、ボリウッドミュージックを中心に約300万曲を配信している。世界最大手Spotifyの配信数である1500万曲と比べると少ないが、インド人向けの楽曲を徹底的に充実させている点が特徴だ(インドのサービスなので当たり前だが)。ちなみにSpotifyはまだインド市場には進出していない。

インド向けのサービスという点は、利用料金の安さにもあらわれている。Spotifyのアメリカでの料金は月額9.99米ドルなのに対して、Saavnの”Saavn Pro”は月額3.99米ドル、インド国内限定の廉価版”Saavn Lite”は月額2米ドルに抑えている。もちろん広告付きの無料版もあり、音楽の検索とストリーミングが可能となる。

またインドはモバイル端末の普及が著しいことから、スマートフォン利用者を積極的に取り込む考えだ。

ちなみにSaavnは日本からも利用可能なので、「インド音楽をあさりたいけど、情報がなくてよく分からない!」という人は、ぜひ使ってみてほしい。

■インド国外の楽曲も拡張

インド国外の楽曲も積極的に増やしている。8月にはWarner Musicとライセンス契約を結んだ。これによってEMI MusicとSony、Universal Musicを含めたすべての大手アメリカレーベルと契約したことになる。ColdplayやLed Zeppelin、Madonnaなどの洋楽も取り揃えていることで、よりコアなインド人リスナーも取り込む下地が整ったということだろう。

※参照情報
Indian Streaming Service Saavn Raises Second Round of Funding
Indian streaming service Saavn bags Warner deal
Saavn shuffles top management; boosting catalogue to expand to new global markets
Indian Spotify rival Saavn eyes global expansion after netting 800,000 new tracks from EMI and Warner