インド音楽トピックス

デリー発、90年代をイメージしたポップアンセム”You and Me”

デリー在住で現地シーンを代表する気鋭のアーティスト、Dualist Inquiryのニューシングル“You and Me”がリリースされた。 ゲストボーカルにSanchal Malharという歌手(トップビジュアル)をむかえての作品。 ディスコサウンドにミニマルなベースラインとキャッチーなメロディで、何回も聴き返してしまいたくなるようなポップアンセムとなっている。 Daft Punkのアルバム”Random Access Memories’”を彷彿とさせる感じ。 90年代のMTVをイメージしたというチープ ...
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バンガロールのアパートから生まれる幻想音楽、Monsoonsirenが新作リリース

またしても唯一無二な歌唱力による幻想的な世界観。期待を裏切らない出来だった。 バンガロール在住のボーカリストで、「Monsoonsiren」名義で活動するネイサン・メノンが、6曲入りのEP「Songs For The Living」をリリースした。 これまで数々のコラボ曲を共に作ってきた盟友Tom Dayとの共作だ。 抑制されたピアノをバックに、Monsoonsirenによる伸びやかで繊細なボーカルが心地よく響く力作だ。 現在20代半ばのネイサン・メノン。 彼のプロフィールによると、映画専攻の学生なものの ...
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インド音楽トピックス

80年代インドディスコサウンドを一挙披露、デリーの老舗レコード店で

世界各地のレコードショップを訪問して、その店のレコードでセッションを繰り広げる企画「From The Counter」。 世界的な音楽配信プラットフォームBOILER ROOMによるこの人気コーナーに、オールドデリーにある老舗レコードショップ「The New Gramophone House」(NGH)が登場した。 NGHは1930年創業の老舗ショップで、いわゆる「78rpmレコード」と呼ばれる蓄音機用レコード専門店としてスタートした。 現在は創業者の孫にあたるAnuj Rajpal氏がオーナーを務めてい ...
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インド音楽トピックス

【2018年版】インド音楽シーンのおすすめアーティスト6選

ここ最近で新作を出したアーティストたちの作品をまとめました。 今回紹介する以外にも、まだまだ多くのアーティストがいます。気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてください。 「日本人が聴いても格好いい インドのインディー音楽が分かるおすすめディスクガイド」 ◆Aditi Ramesh 元弁護士という異色の経歴を持つ女性シンガーソングライター。 2017年9月にリリースしたデビューEP「Autocorrect」のヒットによって、ミュージシャンに転身してからわずか半年あまりで、一躍現地シーンのメインストリー ...
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インド音楽トピックス

「日本で演奏したい」、インド音楽シーンの人気アーティストに話を聞いた

過去10年の間に、インドにおいてオルタナミュージックシーンが急速に盛り上がり始めている、という事実はインドの外にいる人には中々伝わっていないと思います。 インド音楽といえばボリウッドや伝統音楽を思い浮かべるのが一般的な感覚。 確かにインドの音楽市場規模でいえば、今でもこれらのジャンルが9割以上を占めているのだけれども、いざ現地にいってみると外からでは見えなかった事情が見えてきたりします。 僕は2013年に仕事でデリー(正確には近郊のグルガオン)に1年間住んでいたとき、現地のインディーミュージックシーンの存 ...
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インド少数民族の音楽とジャズを融合させたSarathy Korwar、現地集落でのレコーディングを語る

2015年1月のある晴れた日、Sarathy Korwarという青年がインド西部のグジャラート州にあるラタンプールという村に入った。州都から200km以上離れた小さな集落で、観光客が押し寄せるような場所でもない。 ミュージシャンである彼の目的は、ここに住む少数民族Siddi族と会うことだった。 その昔アフリカからインドに渡ってきて以来、先祖伝来の音楽を今でも奏でている民族がラタンプールにいる。そう人づてに聞いた彼は、Siddi族による演奏をフィールドレコーディングし、自身の音楽作品へと昇華しようと考えてい ...
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インド音楽トピックス

インド産マスロックの実力派が織りなすポリリズム、日本人のツボにも入る心地よさ

インドのインディーミュージックシーンの中心地バンガロールから、また新たな話題作が出てきた。 2010年に結成した3ピースバンドのStuck in Novemberが、セカンドEP「First Slice Of Cake」をリリースした。 ポストロックやマスロックが盛んな同地らしい変拍子やポリリズム、テンポチェンジを多用したインスト作品。かわいらしいアルバムカバーからも見て取れるように、マスロックをポップに消化している。 前作リリース後に主要メンバーの一人が脱退してしまったハンデを乗り越えての新作。その苦労 ...
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キャリアを断たれたパキスタン伝統音楽家たちがニューヨークジャズと共演、復活劇を追ったドキュメンタリー映画が公開

パキスタンに住むアーティストたちにとって、1977年からの10数年間は悪夢のような時代だった。 クーデーターによって誕生したイスラム主義的な軍事政権が、音楽をはじめとする文化活動を弾圧したのだ。 パキスタン北部にある芸術の都ラホールの道端では、イスラム過激派がミュージシャンを意味もなく殴りつけたり、楽器を破壊したりする光景が日常的に繰り広げられた。公共の場で演奏しただけで殺されてしまったミュージシャンも少なくない。 しかしそんなラホールですら、パキスタンの他の地域と比べればまだ安全なほうだった。「音楽は罪 ...
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インド少数民族の集落でフィールドレコーディング、タブラ奏者が放つジャズエレクトロニカ

インドの西部と南部に点在するシッディ族は、その昔アフリカから渡ってきた部族だ。 ある者は商人や船乗りとしてインドの地に流れ着き、ある者は奴隷としてポルトガル人によって連れてこられた。 人口5万人程度しかいない彼らは、インドの中では常にマイノリティとして存在してきたが、自身のアイデンティティーを失わず、かといって表立って周囲のインド人たちと対立することもなく、500年以上もしぶとく生き抜いてきた。 そんなシッディ族は、先祖から受け継いできた民族音楽を今でも奏でている。長らく口述で伝えられてきた故郷のスワヒリ ...
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「ムンバイは矛盾うずまく愛すべき街」、レゲエアクトBombay Bassmentへインタビュー

インドの大都市の中でも、ムンバイには他の都市にない色気が漂っている。それは強烈に相反する様々な要素が不思議と共存しているからかもしれない。 うんざりするほどの暑さや喧騒が街を支配する一方で、夜になると海沿いのマリーン・ドライブには街灯が一斉に灯り、静かな夜景が広がる。 紀元前まで遡ることができる歴史がありつつも、インド1の金融センターやエンタメの中心地ボリウッドなどを抱えている。 アジア最大といわれる貧困街で水も電気もない生活を送る人たちがいる一方で、大富豪が27階建ての豪華な「自宅」ビルを打ち立てる。 ...
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