インドのサーランギー奏者とエレクトロポップが出会ったら
インドのインディーミュージックの新曲をチェックしていたら、面白いMVが出てきました。
Dehlvees(デルビース)というエレクトロポップユニットの「Mahira」という楽曲。サーランギーの音色と伝統音楽チックなヒンディー語のボーカル、アップビートなシンセ音、浮遊感があってトリッピーなアニメーション、という異色な組み合わせが面白い。
本来出会わないはずのものたちが合わさった、という感じがします。
豊かな蓄積のあるインド音楽と、現代のカルチャーを組み合わせられる点が、この国のアーティストの強みだなと改めて思った。
このユニットはデリー出身のサーランギー奏者Suhail Yusuf Khanと、音楽プロデューサーのAkshay Rahejaによる2人組。もともと別々のグループで活動してきた2人だけれども、幼馴染つながりで2014年に結成している。
ちなみにユニット名は、ムガル帝国の時代に皇帝の前で音楽や詩を吟じていた人たちを指す「Dehlvis」という言葉が由来だそう。
このサーランギー奏者のSuhail Yusuf Khanという人。結構有名らしく、インド版Forbesで紹介されたりもしていました。
現在28歳のKhanは、過去8代にわたってサーランギー奏者を輩出してきた音楽一家の出身。6歳で音楽を始めて、11歳の時にリバプールで家族と共に初舞台を踏んでいる。
ソウルフルなボーカルも強みで、今回の楽曲「Mahira」の歌声も彼のもの。
サーランギー奏者は一般的に歌も歌える人が多いそうです。サーランギーの音色は人の歌声との相性が良いといわれるため、奏者は歌の訓練も一緒に行うことが多いため。
これまでAdvaitaというフュージョンロックバンドで活動してきた彼ですが、伝統音楽の奏者がロックをやるということで、当初は風当りも強かったとか。
パブでバンド演奏する彼に対して、「酒場で演奏するなんてサーランギーを侮辱している」と批判されたことも。
それでも彼は2014年のインタビューでこう答えている。
「今はインドでインディーミュージックをやるには完璧なタイミングだよ。次の5年間でボリウッドのような大きな産業に成長するんじゃないかな」。
ボリウッド並みの産業規模は難しいにしても、異色のジャンル同士の化学反応が起きうるこのジャンルでは、今後もっと面白いことが起きそうな気がします。
■Dehlvees
・iTunes
・YouTube
・Soundcloud
・Facebook
※参照情報
・Suhail Yusuf Khan: Creating an Unorthodox Sound
・Check Out The New Single from Dehlvees
・Every Free-Spirited Independent Girl Needs To Listen To This Song About Following One’s Inner Voice
・catching up with akshay raheja
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