インド最大級のEDMフェスが開幕、おすすめ出演アーティスト一覧
今や年末のインドで恒例となっている、エレクトロニックダンスミュージック(EDM)のフェスの季節になりました。リゾート都市ゴアで12月27日、2つの巨大EDMフェス、SunburnとVh1 Supersonicが始まりました。インド国外からも一流アーティストや観客が集まる両フェスは、今やそれぞれ動員数10万人以上を誇るアジア最大級の音楽フェス。ボリウッド音楽が主流のインドにおいて、EDMリスナーの割合は2%にとどまるといわれるが、ファン層はここ数年で急激に拡大している。今回はVh1 Supersonicについて、Rolling Stone誌が掲載したおすすめ出演アーティストを紹介します。
その前にSunburnとVh1 Supersonicについて少し説明。実はこの2つの野外フェスはかなりのライバル関係にある。もともと先に創設されたSunburnの運営陣が仲違いの末に、離脱したメンバーがVh1 Supersonicを作ったという経緯がある。しかも2つは同じ音楽ジャンルのフェスである上に、同時期に隣り合った場所で開催されるということもあり、出演アーティストや観客を巡って互いに火花を散らしあっている状態なのだ。
Sunburnは、イベント運営企業のPercept社によって2007年に創設。協力メンバーとして、インドのEDMの世界でアイコン的な存在であるDJ、Nikhil Chinapaを迎えての取り組みだった。Sunburnは初年度から成功を収めた。7年たった今では3日間の動員数が10数万人という、日本のフジロックに匹敵する規模にまで成長している。しかし2013年には、金銭問題などを原因として、創設メンバーだったChinapaが離脱。Sunburnを離れたChinapaは、同じ年に新たなEDMフェスVh1 Supersonicを立ち上げた。同フェスの動員数は、第1回目の13年は約6万人とSunburnの半分ほどだったものの、2回目の今年ははやくも10万人に達するとみられている。
そんな急激に動員数を伸ばしているVh1 Supersonicのおすすめインド人アーティストを紹介します。
ちなみに初日の公演の様子を収めた6時間におよぶ動画がYouTubeにアップされていたので、どんな雰囲気かみてみたい方はご覧ください。
■Vachan Chinnappa
Vachan Chinnappaは、ベンガルール出身のドラムンベース・アーティストで、インド国内では一定の評価を得ている。もともと80年代のヘビーメタルのカバーバンドとして音楽活動を始めたが、金銭的な問題で解散に追い込まれてしまう。その後エレクトロハウスやハードコアテクノといったジャンルへ音楽活動をシフトしている。
■DJ Mash
DJ Mashは、デリー出身のアーティスト。1997年からDJとして活動を始め、今ではデリーやムンバイ、ゴア、コルカタなどの大都市にある主要なクラブの間で引っ張りだこの存在。Sunburnのメインステージでのプレイ経験も持つ。
■Praveen Achary
Praveen Acharyは、ベンガルール出身のアーティスト。プログレッシブ・ハウスやディープ・ハウス、テックハウスをブレンドしたサウンドが特徴。またプレイヤーとしてだけでなく、レーベル”JuiceBox Music”のオーナーとしても活動している。
■Blank
Blankは、2009年に結成したチェンナイを拠点とする3人組みエレクトロユニット。ディープ・ハウスやプログレッシブ・ハウスなどのサウンドの上に、インドの伝統音楽風のメロディーをのせた楽曲が特徴。
■Calmchor
Calm Chorは、デリー出身のアーティストAshvin Mani Sharmaによるプロジェクト。同名義での活動は2011年からだが、彼自身は1998年からDJ活動を続けている。Ash RoyやArjun Vagaleなどインドを代表するDJたちによるダンスミュージックユニット”Jalebee Cartel“の創設メンバーでもある。この曲はNirvanaの”Come as you are”のリミックス。
※参照情報
・VH1 SUPERSONIC AND SUNBURN IMPRESS WITH 2014 LINEUPS
・Vh1 Supersonic: Over 100,000 footfalls expected in Goa
・Sunburn and the Indian EDM Explosion
・Lessons from Sunburn Festival
コメントを残す