アーティストカタログ#029:Shajie
Shajieは、パキスタンのカラチを拠点とする3人組ポップロックバンド。レトロで少しかすれたサウンドをバックに、ボーカルのShajieがウィスパーボイスを重ねる。パキスタンのエンタメサイト”HIP”に掲載された記事“Why Shajie is redefining Pakistani pop”(なぜShajieはパキスタンのポップミュージックにおいて新しい存在なのか?)では、「現在のパキスタンで、最も重要で影響力のあるミュージシャンの一人」として紹介されている。
パキスタンの音楽ファンに彼らがどう受け止められているのか、少し垣間見れる文章がこの記事にあったので一部抜粋。2014年のライブでのボーカルShajieの様子を描いたもの。
“Sunehray Din(パキスタンのドラマのキャラ?)のような髪型をした若い男性は、ためらいがちにスポットライトの下まで歩き、好意的な雰囲気の観客を前に目を細めた。集まった人々は彼の名前を大声で呼んだり、ヒステリックに叫んだりしていた。Shajieはこれにすっかりたじろいでいるようだった。彼は観客の拍手を前に、ロックスターのように振る舞えない自分を申し訳なく感じているようにみえた。(中略)。彼は明らかに居心地が悪そうなたたずまいだったが、小さな観衆にとって、これこそがShajieの魅力になっていた。ステージ上において繊細で気取らない彼の振る舞いが、楽曲をよりユニークなものにみせていた”
Shajieの楽曲の特徴の一つとして挙げられているのがウルドゥー語(パキスタンの主言語)の歌詞。この記事によると、ウルドゥー語はパキスタンのポップミュージックの歌詞としてかなり使い古された感があるため、どうしてもありきたりな印象になってしまいがちだそう。実際ここ最近の人気曲は、パンジャビ語のような地方言語や英語、もしくはボーカルのないポストロックが占めているという。
こうした状況の中で、Shajieのウルドゥー語の歌詞は、必要最小限な言葉だけを選び取ったシンプルな作りで、シュルレアリスティックで独特な雰囲気なのだとか。
日本人の自分にとってこの辺の感覚を理解しきれないのが残念。
こちらはShajieの人気曲の一つ”Battakhain”のPV
■Shajie
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※参照情報
・Why Shajie is redefining Pakistani pop
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