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Voctronicaは、ムンバイを拠点に活動する6人組ビートボックス・アカペラグループ。この種のジャンルのグループとしてはインド初だという。まだアカペラに対して馴染みの薄いインドにおいて、声だけで様々なジャンルの曲を歌いこなすスタイルが注目され、2014年は数多くの音楽フェスへの出演や、メディアへの露出を果たすなど、飛躍の年となった。

ソニー・ミュージック・インディアなどが主催したオーディションによって2011年に結成。数百人の応募者の中から最終的に絞り込まれた6人がメンバーとなっている。学生やミュージシャン、心理カウンセラーなど多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まった。

彼らの楽曲はカバー曲が中心だが、ジャンルは問わない。古いヒンディー語の歌からボリウッドソング、90年代のポップス、懐かしのCMソングまで幅広い。メンバーが歌いたい、アレンジしたいと直感的に感じた曲をピックしているという。

メンバーの一人Clyde Rodriguesは、「ビートボックスやアカペラをやる利点は、楽器なしに声だけで演奏するので、特定のジャンルに縛られずにすむこと。だから僕たちのリスナー層も特に限定されないと思っている」と話す。

また影響を受けたアーティストの一つとして、アメリカのコメディーグループ「ザ・ロンリー・アイランド」を挙げているだけに、コミカルなパフォーマンスも特徴となっている。

声だけで楽器の音を再現するというスタイルは、インドでは驚きをもってむかえられている。そのためどのようにビートボックスを学んだのか?ビートボックスの講座を開いてくれないか?といった依頼を受けることも多いそう。

「僕たちはYouTubeを使って独学で学んだんだ」(Avinash Tewari)
「普段からあり得ないほどの量の練習をこなしている」(Warsha Easwar)

カバー曲が中心のVoctronicaだが、現在はオリジナル曲の制作にも取り組んでいるという。年内にはデビューEPをリリース予定。またそれぞれの曲には必ずパフォーマンスの様子を収めた動画もつける予定。「曲を聴いただけでは、何が起きているか分からない人も出てきてしまう。ビジュアルで見ることができれば、どうやって音を出しているかが伝わりやすい」(Arjun Nair)。

まだまだインドでは馴染みが薄いジャンルだが、数々のパフォーマンスをこなしてきた結果、手応えを感じているという「まだ自分たちのポテンシャルを探求し始めたばかり。完成されたグループになるまでには、まだ長い道のりがある」(Avinash)。

インドの懐かしのCMソングをアカペラにした楽曲。インドのコメディーグループ”All India Bakchod”(AIB)とのコラボしたもの。リリースした2014年当時話題を呼び、Rolling Stone誌などのメディアにも取り上げられた。

イギリスの人気シンガーソングライター、エド・シーランの”Sing”のアカペラ曲。

TEDx Talksに出演した時のパフォーマンス。

■Voctronica
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※参照情報
Voctronica, band of six hits the right beat at Kala Ghoda
Mumbai Beatboxing Group Voctronica Begin Work On New EP
India’s first beatboxing band Voctronica on how beatboxing and capella make good bedfellows
The Workings Of An All-Vocal Ensemble: Voctronica
India’s First All-Vocal Orchestra. No Instruments. No Kidding.