インド音楽シーンを彩る、注目女性アーティスト14人を一挙紹介!(後編)
インドのRolling Stone誌の女性アーティスト特集でリストアップされていたミュージシャンたちを紹介する記事の後編。前編では、Monica DograやSandunesをはじめとした人気女性アーティストを紹介しましたが、後編でも引き続きエレクトロやスカ、ポップロック、ジャズなど様々なジャンルのシンガーが揃っています。
Tanvi Raoは、ベンガルール出身のボーカリスト。音楽大学で出会ったRahul Giriと共に2009年にエレクトロニック・トリップホップデュオSulk Stationを結成。2012年リリースのデビューアルバム”Till you Appear”では、トリップホップなどの要素とインドの伝統音楽を組み合わせた楽曲で、一般リスナーや音楽メディアから高い評価を受けた。
インドのインディー音楽シーンでは有名なRaoですが、彼女のLinkedInによると、ベンガルールの高校で音楽教師としても働いているそう。
こちらの動画は、Sulk Stationのデビューアルバムに収録の楽曲”bindya”のライブ演奏。こういうインドの伝統音楽×エレクトロっていう感じの曲はたまらないですね。
・Soundcloud(Sulk Station)
・YouTubeチャンネル(Sulk Station)
・Bandcamp(Sulk Station)
・Facebook(Sulk Station)
Vasundhara Vidalurは、デリーを拠点に活動するジャズシンガー。2009年にギタリストのAdil Manuelと共にAdil & Vaundharaを結成。2010年にデビューEP、2013年にデビューアルバム”Ampersand“をリリース。英語とフランス語の歌詞で、ジャズやブルース、R&Bなどの要素が盛り込んだ楽曲を歌う。
彼女のファンだという歌手のVasuda Sharmaは、「Adil & Vasundharaは友人を通して知ったの。その友達は“すごい歌声の歌手がいるから聴いてごらんなさいよ!”という感じで驚いていた」と話す。
・YouTubeチャンネル(Adil & Vasundhara)
・Facebook(Adil & Vasundhara)
Suyasha Senguptaは、2011年に結成したコルカタ出身のオルタナロックバンドThe Ganesh Talkiesのボーカル。1991年生まれの23歳で、シーンの中では最も若いアーティストの一人になる。
メンバーが皆映画好きということで、バンド名は今はなきコルカタの有名な映画館から取ったそう。楽曲もボリウッドソングを下地にしたものが多い。
またインドのアーティストは割とソーシャルメディアでの発信が苦手な人たちが多いですが、彼女は若いだけあって、バンド活動だけでなく、インスタグラムで日常の写真も積極的に発信しています。こういうネットでの情報発信に手慣れた世代のアーティストがもっと増えると、ファンも増えやすくなる気がします。
・YouTubeチャンネル(The Ganesh Talkies)
・Soundcloud(The Ganesh Talkies)
・Facebook(The Ganesh Talkies)
・Bandcamp(The Ganesh Talkies)
Samara Chopraは、デリーを拠点とするスカバンドThe Ska Vengersのボーカル。インドのインディーシーンの中で、バーの一角なんかではなく、ライブハウスまるごと観客で埋められる数少ないバンドの一つ。以前は日本人の方も在籍していました。
この記事書いてて初めて知ったんですが、彼女はヨガのインストラクターもやってるようで、こんなヨガの教則動画に出ていました。バンドの演奏動画よりも圧倒的に再生回数が多いです。
この動画は2012年にリリースしたセルフタイトルのデビューアルバムからの一曲。
2012年にはデリーの刑務所での演奏が話題になり、The GuardianやBBCなど海外の大手メディアにも取り上げられました。こちらはその時の映像。映ってる観客は服役囚ってことでしょうか。刑務所でライブって、なんかジョニー・キャッシュみたいで格好いい。
・YouTubeチャンネル(The Ska Vengers)
・Bandcamp(The Ska Vengers)
・Facebook(The Ska Vengers)
Saba Azadは、ムンバイを拠点とするエレクトロポップデュオ”Madboy/Mink”のボーカル。幼い頃から演劇やダンスに携わり、イギリスやカナダ、ネパールを公演でまわることもあったという。2008年にボリウッドデビューし、2011年に出演したラブコメ映画”Mujhse Fraaandship Karoge”がヒットしている。またキットカットやボーダフォン、ネスカフェなど大手企業のテレビCMにも出演している。
2012年に男性ギタリストImaad ShahとMadboy/Minkを結成し、2014年4月にはデビューEP”All Ball”をリリース。オルタナミュージックシーンでも高い人気を獲得した。さらにボリウッド映画にもかかわらずサウンドトラックにインディーミュージックを起用して話題になった”Detective Byomkesh Bakshy!”(2015年4月公開)に楽曲を提供するなど、ボリウッドとインディーミュージックシーンをまたにかけた活躍をしている。ちなみに相方のShahとは恋人として同棲していると、2013年に明かしている。
デビューEPに収録の”Alley Cats”。
ボリウッド映画”Detective Byomkesh Bakshy!”のサウンドトラックに起用された”Calcutta Kiss”(オリジナルタイトルは”Taste Your Kiss”)
・YouTubeチャンネル(Madboy/Mink)
・Bandcamp(Madboy/Mink)
・Soundcloud(Madboy/Mink)
・Facebook(Madboy/Mink)
13.Vivienne Pocha
Vivienne Pochaはムンバイ出身のシンガー。12歳の時からプロの歌手としてのキャリアを始め、ジャズやブルース、ファンク、フォーク、ロックなど幅広いジャンルの楽曲を歌いこなす。インド映画のプレイバックシンガーとしても活動している。
ムンバイ出身の女性シンガー兼作曲家で”女性版ラフマーン”と呼ばれるマーリン・ドゥズーッサは「Vivienneは素晴らしい声の持ち主。海外でも通じる実力を持っている。ロックであると同時にブルージー。素晴らしいソプラノシンガーだ」と話す。
この動画は、2012年にBlueFrogムンバイ店で行われた演奏の様子。
14.Sonia Saigal
ムンバイ出身の女性シンガーVivienne Pochaは、Sonia Saigalについて次のように話す。「彼女のスタイルを尊敬している。彼女の音楽へのアプローチの仕方は、私と同じでとても独特。以前彼女と一緒にBlueFrogで歌ったことがあるけれども、すごく堂々としたパフォーマンスだった。驚くほどスモーキーな歌声の持ち主で、楽曲を理解する力もある。インドの歌手の中で最も才能のあるアーティストの一人だ」。
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