デリー発、90年代をイメージしたポップアンセム”You and Me”
デリー在住で現地シーンを代表する気鋭のアーティスト、Dualist Inquiryのニューシングル“You and Me”がリリースされた。
ゲストボーカルにSanchal Malharという歌手(トップビジュアル)をむかえての作品。
ディスコサウンドにミニマルなベースラインとキャッチーなメロディで、何回も聴き返してしまいたくなるようなポップアンセムとなっている。
Daft Punkのアルバム”Random Access Memories’”を彷彿とさせる感じ。
90年代のMTVをイメージしたというチープな映像も魅力的だ。
Bandcampで無料でダウンロード可能。
制作は急ピッチで進んだようで、「水曜日に曲を書いて、翌月曜日にはミキシング、その週末にはムンバイのライブで演奏していた」(Dualist Inquiry)という。
ちなみにこのDualist Inquiry名義で活動するSahej Bakshi。2011年のデビュー以降、インドのシーンを代表するアーティストとして根強い人気をほこっている。
Facebookページのファン数は約35万人(18年6月現在)と、現地としては桁はずれの数だ。
2011年にイギリスで開催されたThe Great Escape Festivalでは、DJ Shadowのオープニングアクトを務めたことも。
さらに2017年には、インド初となるインディーミュージック専門のラジオ局”Boxout.fm“を開設したことで話題になった。
Boxout.fmの開設については、現状のインドのインディーシーンに関する課題意識があるようだ。
現在のシーンが活気づきアーティストの数も増えているとはいえ、楽曲をプロモーションするためのインフラがまだ整っていない。
資金が潤沢にあるようなレーベルと契約でもしない限り、埋もれがちになってしまうのが現状だ。
BakshiはBoxout.fmによって、この問題を解消しようとしている。
エレクトロニカやテクノ、ジャズ、レゲー、ロックなど、インドのマスでは注目されにくいジャンルの音楽を南デリーのスタジオから24時間体制で配信。ファンとアーティストの接点を増やしている。
さらにBoxout.fmブランドでのライブイベントをデリーやムンバイ、ハイデラバードなどの都市部で開催するなど、オフラインでのプロモーション施策にも積極的だ。
アーティストとしてだけでなく、ビジネス面での影響力も増してきたBakshi。今後も目が離せない。
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